変○紳○の読書とかの日記

読書を中心とした日記を地味に地味に更新しております

マッチ売りの…

斎藤昌三「日本好色燐票史」 靑園莊
エログロ趣味サイコー
昭和23年刊行で、限定300部の私家版といってもよいような本です。
戦後まもなくの本は非常に紙質の悪い本が多いのですが、こちらは厚みのたっぷりある和紙を使用しており、保存状態も良好です。
タイトル部分には金属プレートが使用されています。
署名入り
限定300部のうち私の購入した本はトリの300番。筆者の斎藤昌三さんは猥褻本研究で有名な方です。

本書の内容は、筆者が大正末から昭和15年頃にかけて蒐集したマッチ箱の複製ラベルを貼り付けて簡単な解説を加えたものです。
マッチ箱といってもわ印研究の泰斗ですからただのマッチ箱ではなく、カフェー、バー、ダンスホール、女郎屋等々当時の大人の社交場のマッチ箱です。
カフェー
カフェじゃなくて「カフェー」でございます。キャラメルマキアートが云々のお洒落なお店ではなく、「女給」さんがお客にちょっとしたサーヴィスをしてくれたりする…
犯罪公論
大正末から昭和初期にかけて大流行したエログロ趣味を取り入れた図柄も多くあります。
このセンス!
ごめーん
一つだけ「原票を紛失致しましたので復刻不可能となりました」と書かれた紙が貼付されておりました。わざわざ書かなければ分からないものを。これは筆者の遊び心と解釈しておけばよろしいのでしょうかね。
チャブ屋
横浜は本牧で外国人船乗り相手に繁盛したダンスホールと女郎屋を合わせたような形態の商売「チャブ屋」のマッチもあります。
チャブ屋といえば「本牧お浜」なんかが有名ですね。

2013年私的読書大賞

今年はまだ3日残っておりますが、今年読んだ本の中で特に良かったものをジャンル別に挙げてみます。

ノンフィクション
謎の独立国家ソマリランド謎の独立国家ソマリランド
(2013/02/19)
高野 秀行

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ソマリア北部の非公認独立国家「ソマリランド」の詳細なルポルタージュ。
元々氏族間の武力衝突が多い北部ソマリランドでは争いが起こった際の手打ちの方法が確立していて、紛争状態から早々に脱することができたが、
争いごとを好まず喧嘩慣れしていない南部では、復讐の連鎖を誰も止めることができずさらにイスラム原理主義組織が介入して収集のつかない状態になってしまっている等、筆者の分析が光ります。
本書で一番面白かったのは、ソマリアの海賊を取材したければ自分で海賊を雇って船を襲わせれば良いと現地人に助言された筆者が、実行した場合のシミュレーションをしてみたところ案外実行可能なプランであるという結論に達したところでしょうか。

鉄条網の歴史 ~自然・人間・戦争を変貌させた負の大発明鉄条網の歴史 ~自然・人間・戦争を変貌させた負の大発明
(2013/02/23)
石 弘之、石紀美子 他

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鉄条網及び近代以降の排除の歴史です。
人間はエゴイストになればなるほど便利な物とシステムを発明していくという業の深き存在であります。
最終章の人間が立ち入れなくなってビル街が木々に埋もれているチェルノブイリの写真は衝撃的でした。
人間が排除されたチェルノブイリは野生動物の楽園と化しており、一時流行った近未来SFの世界を見ているかのようです。


小説
ボヌール・デ・ダム百貨店ボヌール・デ・ダム百貨店
(2002/12)
エミール ゾラ

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舞台は19世紀末パリ、「百貨店」という新しい形式の巨大商店が、既存の個人商店を叩き潰しつつ、人々の欲望を飲み込んでいく様を華麗に語られております。
ゾラの小説にしては珍しく、主人公が想い人と結ばれてハッピーエンドとなる展開も印象深し。

ラノベ
ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)
(2013/07/29)
石川博品

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後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫)後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫)
(2013/12/25)
石川 博品

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夏に甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールを書いたかと思えば、冬にエロいハーレムと熱血野球勝負を何の違和感も無く融合させ歴史小説風に仕上げる石川博品氏はやっぱりタダ者ではないで~。
オスマン帝国・剃毛プレイ・キャットファイト・女装した少年が男装?・吸血鬼・ケモノ娘に宇宙人、こんなに詰め込んでも面白い!
でもAmazonのランキングを見る限りでは売れてないのが残念です…

ポターさんの描く人間はあまり上手ではない

なんかネットで「ピーターラビットのお父さん、実はパイにされていた!」なんて話題を見かけたのですが、
それってピーターラビットの絵本を読んだことのある人なら常識なんでは…
だって物語冒頭でお父さん出てますやん。
犬が可愛い

そういえば私の祖父も時々畑でウサギを捕まえていました。
別にパイの具にするわけでもマントの裏地にするわけでも毛皮を売ってタバコ代にするわけでもなく、「孫が喜ぶから」といった理由でしたので、
半日ほど庭に置いた後はすぐに逃がしてやっていましたが。
野ウサギは人になつきませんしね。

こちらは有名な大ウサギが小ウサギをカツアゲするの図(違う)
お前ちょっとここで跳ねてみ?


1月に読んだ本 そのいち ~お勧め関連本も添えて

エミール・ゾラ「ボヌール・デ・ダム百貨店」 論創社
ゾラの入念な取材に基く19世紀パリの百貨店の隆盛を描いた小説。
一応百貨店に就職した主人公ドゥニーズの苦労話や恋愛話が主軸としてあるのだけれど、やはり本作の読みどころは、短期間で驚くほどに成長してフランス中の女性の物欲を鷲掴みにし、既存の個人店舗を蹂躙する百貨店の暴力的ともいえる賑わいの描写にあると思います。
この本を読む時には副読本としてこちらもぜひ。
デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書)デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書)
(1991/11/18)
鹿島 茂

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ボヌール・デ・ダム百貨店のモチーフであり百貨店の草分けであるボン・マルシェ百貨店について書かれた本。
これを読めば百貨店はこの世に誕生した時点で既に完成されていたことが分かります。
21世紀の現在と基本システムは全く同じ、むしろ19世紀の方が洗練されている感すらあります。


ジャック・ロンドン「どん底の人びと ロンドン1902」 岩波文庫
筆者がロンドンはイースト・エンドの貧民街に潜り込んで書き上げたルポルタージュ。
当時は世界の最先端であった大英帝国でも貧民の暮らしぶりの悲惨さは筆舌に尽くしがたいものがあります。
とにかく人の命などは吹けば飛ぶような軽さです。
セーフティネットのない資本主義が如何に冷酷なものか、
これを読むとなぜヨーロッパで社会主義革命が起きたのかが理解できるような気がします。
同時代の日本にも同じような内容のルポルタージュがあります。
最暗黒の東京 (岩波文庫)最暗黒の東京 (岩波文庫)
(1988/05/16)
松原 岩五郎

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こちらは軍の払い下げの残飯を貧民に販売する職業「残飯屋」の潜入ルポが特に面白い。
同時代の日本の方がまだ前近代な雰囲気を引きずっており、貧民の生活も多少は牧歌的な雰囲気が漂います。
ジョージ・オーウェルのこちらの作品もお勧めです。
パリ・ロンドン放浪記 (岩波文庫)パリ・ロンドン放浪記 (岩波文庫)
(1989/04/17)
ジョージ・オーウェル

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パリ・ロンドンの貧民街ルポの他に高級レストランの厨房の実態なんかもあります。
お客様に出される華やかな料理も裏では…

香川はうどんだけじゃないのだよ、君ィ

お盆はお墓参りに出かけたり、古書店を覗いたり。

こちらを買いました。(実はこの本昨年岡山の万歩書店で購入したのですが、帰宅して袋をあけると入っていませんでした… どこかで落としたようで…)
昭和の薫りたかき一冊
泉忠夫「讃岐 味どころ」 保育社カラーブックス
カラーブックスの食べ歩きガイドシリーズの一冊で、昭和61年当時の高松市を中心とした香川の飲食店ガイドです。
うどん店は一部高級店の紹介に留め(もっとも、香川のセルフのうどん屋が全国的に有名になるのは平成以降の話でして、当時は飯場扱いでガイドブックに載るようなものではありませんでした)、和洋中華とバラエティあふれるラインナップです。
掲載店舗は94店、割烹、フランス料理、バー、お好み焼き、ステーキハウス等々(個人的には美代志野とかリリーとかの甘味処も充実していれば完璧だったのだが)。明日にでもこの本片手にして高松市内食べ歩きを敢行したくなります。
しかし、30年近く経った今、残っている店舗は20も無いと思われます。
掲載地図と写真を見ていると、明らかに現在は存在していない店舗のなんと多いことよ…
飲食店は長く続けるのが難しいことをつくづく思い知らされる一冊です。

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hentaisinsi

Author:hentaisinsi
登場人物

変○紳○:本好きな40代、
       フルスロットル。
中の人  :中の人。
       ガス欠気味。
奥殿   :変○紳○のラバさん。
       酋長の娘ではない。
       中の人の配偶者。
       いつもマイペース。

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