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変○紳○の読書とかの日記

読書を中心とした日記を地味に地味に更新しております

フフ……『水底を這うもの』とでもいっておきましょうか

読みました。
ネルリ
石川博品「耳刈ネルリと奪われた七人の花婿」 ファミ通文庫

今回も良い出来。
八高一年十一組の面々が演劇に挑戦するのですが、選んだ演目が連邦の文化英雄コーチキンの代表作「動乱」。これは連邦で「耳刈ネルリ」の名で恐れられているシャーリック王国中興の祖「大ネルリ」の戦いとそれに巻き込まれた若きカップルのお話。
崇拝する同じ名を持つご先祖様の役をやることになったネルリは俄然はりきります。ライバルは同じ演目の優勝候補三年一組。演劇大祭当日は文化英雄コーチキン氏もご臨席。さあ、どうなる?

文化祭の演劇は野球大会と並んで学園バラエティものの定番です。本作で一年十一組が演じる「動乱」改め「耳刈ネルリと奪われた七人の花婿」はなんと100ページ近くも割かれた読み応えのある、旧共産圏臭のする歌劇でした。アドリブ、裏方、お客の反応と、周辺の描写も丁寧。勿論共産圏には必須の政治闘争も裏では行われています。連邦の情報局を相手にするネルリさんの政治センスもなかなかのもので、流石は未来の国王といった感じです。
主人公レイチ少年の猛毒モノローグも健在でした。今回は妄想9に対して韜晦が1混ざっているような印象で、終盤には父や家族への思い、ネルリに対する恋の自覚など、少ししっとりとしていきます。
いやー、面白かった。次巻が待ち遠しくなりました。

作者あとがきによると今回作中で演じられたコーチキンの「動乱」はプーシキンの「大尉の娘」をモチーフにしたものだとか。そういえば私、「大尉の娘」読んだこと無いよなー、と。

そんなわけで買ってきました。
ミーハー(死語)

プーシキン「大尉の娘」
チェーホフ「サハリン島」上下
そのうちに読みたいと思います。
「サハリン島」は村上春樹の「1Q84」で取り上げられ、この度岩波が復刊したそうですね。なかなか商売上手じゃないですか。

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Author:hentaisinsi
登場人物

変○紳○:本好きな40代、
       フルスロットル。
中の人  :中の人。
       ガス欠気味。
奥殿   :変○紳○のラバさん。
       酋長の娘ではない。
       中の人の配偶者。
       いつもマイペース。

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